パソナグループへの就職や転職を考えるとき、「年収はどれくらい?」「『やばい』という評判は本当?」といった疑問や不安が浮かぶのは自然なことです。インターネット上にはさまざまな情報が溢れていますが、断片的な口コミだけでは企業の実態を正確に掴むことは難しいでしょう。
この記事では、有価証券報告書などの公式データと、実際に働いていた元社員や現役社員のリアルな声を基に、パソナグループの年収水準、給与体系、そして「やばい」と言われる評判の真相を徹底的に解明します。
給与が低い、激務といったネガティブな側面だけでなく、社会貢献性の高い事業内容や若手が成長できる環境といったポジティブな面も深掘りし、多角的な視点から企業の実態に迫ります。この記事を最後まで読めば、あなたがパソナグループという企業に向いているのか、客観的に判断するための確かな材料が手に入るはずです。
パソナグループとは?会社概要と事業内容
まず、パソナグループがどのような企業なのか、その全体像を把握しましょう。会社の基本情報から、主力事業、人材業界における立ち位置までを解説します。
株式会社パソナグループの基本情報
株式会社パソナグループは、1976年に創業された総合人材サービスのパイオニアです。企業の基本情報は以下の通りです。
項目 | 内容 |
---|---|
商号 | 株式会社パソナグループ (Pasona Group Inc.) |
設立 | 1976年2月16日 |
代表者 | 代表取締役グループ代表 南部 靖之 |
資本金 | 50億円 |
本社所在地 | 〒100-8228 東京都千代田区大手町2-6-2 |
連結従業員数 | 20,419名 (2023年5月31日現在) |
企業理念 | Social Solution Company (社会の問題点を解決する) |
創業者の南部靖之氏が大学卒業を目前に控えた時期に、「家庭の主婦の再就職を応援したい」という想いから事業を開始したのが始まりです。以来、働く人々の多様な価値観やライフスタイルを尊重し、キャリア支援を行うことを使命としてきました。
主力事業と人材業界での立ち位置
パソナグループは、単なる人材派遣会社ではありません。「Social Solution Company」という企業理念に基づき、非常に多角的な事業を展開しています。
- エキスパートサービス(人材派遣): グループの中核事業。事務職から専門職まで、幅広い職種の人材派遣サービスを提供。
- BPOサービス(委託・請負): 官公庁や企業の業務プロセスを一括で受託するサービス。近年、特に成長している分野です。
- キャリアソリューション(人材紹介、再就職支援): 正社員の転職を支援する人材紹介や、企業の組織再編に伴う従業員の再就職をサポートします。
- その他:
- 地方創生ソリューション: 兵庫県淡路島での施設運営や農業支援など、地域活性化に繋がる事業を積極的に展開。
- グローバルソーシング: 海外での人材サービス。
- シェアリングエコノミー: グループ会社「ベネフィット・ワン」が提供する福利厚生代行サービスなど。
人材業界には、リクルートホールディングスやパーソルホールディングスといった強力な競合が存在します。売上規模ではこれらの企業に次ぐ位置にいますが、パソナグループの独自性は、利益追求だけでなく「社会の問題点を解決する」という理念を事業の根幹に据えている点にあります。特に、官公庁向けのBPO事業や地方創生事業は、他社にはない大きな強みと言えるでしょう。
パソナグループの平均年収と給与体系を徹底分析
企業の魅力や働きがいも重要ですが、生活の基盤となる「年収」は誰もが気になるポイントです。ここでは、公式データと口コミ情報を基に、パソナグループの年収を多角的に分析します。
【公式データ】有価証券報告書に見る平均年収の推移
企業の公式な年収データとして最も信頼性が高いのが、有価証券報告書に記載されている平均年間給与です。
事業年度 | 平均年間給与 | 平均年齢 |
---|---|---|
2021年5月期 | 622.7万円 | 44.1歳 |
2022年5月期 | 647.2万円 | 44.5歳 |
2023年5月期 | 664.1万円 | 45.4歳 |
最新のデータでは、平均年収は約664万円となっており、年々上昇傾向にあります。日本の平均年収と比較すると高い水準にあると言えるでしょう。
ただし、この数字を見る際には注意が必要です。これはあくまで株式会社パソナグループ(持株会社)に所属する社員の平均値です。実際に多くの社員が所属する事業会社(株式会社パソナなど)や、職種、年齢によって実際の給与は大きく異なります。
参考として、競合他社の平均年収と比較してみましょう。
- リクルートホールディングス: 約951万円
- パーソルホールディングス: 約729万円
持株会社のデータで比較すると、競合に比べてやや低い水準に見えますが、これは事業構造や従業員の年齢構成の違いも影響するため、一概に「パソナの給料が低い」と結論づけることはできません。
年代別(20代・30代・40代)のリアルな年収レンジ
より実態に近い年収を知るために、口コミサイトなどの情報を基にした年代別の年収レンジを見ていきましょう。
- 20代: 350万円~500万円
- 新卒入社から数年間は、他社と比較して大きな差はないようです。残業代にもよりますが、400万円台に到達するのが一つの目安となります。
- 30代: 450万円~650万円
- この年代から、役職や成果によって年収の差が開き始めます。リーダーや主任クラスになると500万円を超え、課長代理(マネージャー候補)クラスで600万円台を目指すイメージです。
- 40代: 550万円~800万円以上
- 管理職(課長・部長)に就けるかどうかが、年収を大きく左右します。課長クラスで700万円~800万円、部長クラスになるとそれ以上を目指せる可能性があります。一方で、役職がない場合は600万円前後で頭打ちになるケースもあるようです。
職種別(営業・専門職・管理部門)の年収モデル
パソナグループでは、職種によっても年収体系が異なります。
- 営業職:
- 年収レンジ: 400万円~700万円
- 基本給に加えて、個人の目標達成度に応じたインセンティブ(報奨金)が支給されることがあります。成果が直接給与に反映されやすいため、トップセールスになれば高い年収を得ることも可能です。
- 専門職(ITエンジニア、コンサルタントなど):
- 年収レンジ: 500万円~900万円
- 専門性が高い職種は、給与水準も比較的高く設定されています。特にDX推進やBPO事業に関わるコンサルタントやプロジェクトマネージャーは、高い年収が期待できます。
- 管理部門(人事、経理、企画など):
- 年収レンジ: 400万円~750万円
- 営業職のようなインセンティブは少ないですが、安定した給与体系となっています。専門性を高め、管理職へとキャリアアップしていくことで年収を上げていくのが一般的です。
役職・階級別の年収テーブルと昇給・昇格制度
口コミ情報を基に、役職別の年収テーブルを推定すると以下のようになります。
役職 | 推定年収 |
---|---|
一般社員 | 350万円~500万円 |
リーダー・主任 | 450万円~600万円 |
課長代理(マネージャー) | 550万円~700万円 |
課長(シニアマネージャー) | 700万円~850万円 |
部長 | 900万円以上 |
昇給・昇格は、年に一度の評価によって決まります。多くの部署でMBO(目標管理制度)が導入されており、期初に設定した目標の達成度が評価の大きな軸となります。ただし、口コミでは「評価基準が曖昧」「上司との相性に左右される」といった声も見られ、定量的な成果だけでなく、企業理念への共感度や日々の業務姿勢といった定性的な側面も重視される傾向があるようです。
新卒初任給と中途採用者の年収事例
新卒初任給(2024年度実績)
公式サイトによると、新卒の初任給は以下の通りです。
- 大学卒: 月給 235,000円
- 大学院了: 月給 245,000円
これに時間外手当などが加算されます。年収に換算すると、賞与を含めて約350万円~380万円程度からのスタートとなるでしょう。
中途採用者の年収事例
中途採用の場合は、前職での経験やスキル、年齢によって大きく異なります。
- ケース1:28歳・営業経験5年
- 前職年収: 450万円 → 提示年収: 500万円
- ケース2:35歳・ITコンサルタント経験10年
- 前職年収: 700万円 → 提示年収: 750万円
即戦力となる専門スキルやマネジメント経験を持つ人材は、現社員の給与テーブルよりも高い水準でオファーされる可能性があります。
賞与(ボーナス)と評価制度の実態
パソナグループの賞与は、年に2回(6月、12月)支給されます。支給額は、会社の業績と個人の評価によって変動します。
口コミによると、支給額は基本給の3〜4ヶ月分が目安となることが多いようです。ただし、業績が好調な部署や高い評価を得た社員はそれ以上になる一方、業績が厳しい場合や評価が低い場合は2ヶ月分程度に留まることもあります。
評価制度は前述のMBOが中心ですが、「企業理念の実践」や「社会貢献活動への参加」といった項目が評価に含まれることもパソナグループの特徴です。単に数字を上げるだけでなく、会社の価値観に沿った行動が求められると言えるでしょう。
なぜパソナグループは「やばい」と言われる?5つのネガティブな評判
「パソナグループ やばい」と検索すると、多くのネガティブな情報が目に入ります。ここでは、なぜそのように言われるのか、代表的な5つの評判とその真相を深掘りします。
①給与体系:「給料が低い」「年収が上がらない」は本当か
「パソナの給料は低い」という声は、口コミサイトで最も多く見られる不満の一つです。これにはいくつかの理由が考えられます。
- 業務負荷とのギャップ: 社会貢献性の高い事業や、官公庁からの大型案件など、仕事の責任や難易度が高い一方で、給与がそれに見合わないと感じる社員が一定数いるようです。「やりがい」が重視される分、金銭的な報酬が後回しにされていると感じるケースがあります。
- 昇給カーブの緩やかさ: 若手のうちは平均的な水準でも、役職が上がらないと年収が伸び悩む傾向があります。特に30代後半から40代にかけて、管理職になれなかった場合の年収の頭打ち感が、不満の原因となっているようです。
- 競合他社との比較: リクルートなどの成果主義が徹底された企業と比較すると、インセンティブの割合が少なく、全体的な給与水準で物足りなさを感じるという意見もあります。
ただし、全員の給料が低いわけではなく、成果を出す営業職や専門性の高い職種では高年収を得ている社員も存在します。「給料が低い」という評判は、特に「やりがいよりも待遇を重視する」人にとっての不満が表面化したものと捉えるのが適切でしょう。
②労働環境:「激務で残業が多い」という口コミの真相
「激務でワークライフバランスが取れない」という評判もよく耳にします。これは「部署や時期による」というのが実態に近いでしょう。
- 激務になりやすい部署:
- 営業部門: クライアント対応や新規開拓で、目標達成へのプレッシャーから労働時間が長くなる傾向があります。
- BPO事業の現場: 官公庁からの大型案件や納期が厳しいプロジェクトを担当すると、繁忙期には大幅な残業が発生することがあります。
- ワークライフバランスを取りやすい部署:
- 管理部門: 比較的、業務スケジュールをコントロールしやすく、定時で退社できる日も多いようです。
- 社内制度: 会社全体としては、残業削減や有給休暇取得を推進しており、フレックスタイム制度や在宅勤務制度も導入されています。
問題は、部署によって働き方の実態に大きな差があることです。配属される部署次第でワークライフバランスが大きく変わるため、「激務」という口コミも「ホワイト」という口コミも、どちらも存在するのです。
③企業文化:創業者への考え方や独特の社風
パソナグループには、創業者である南部靖之氏の理念が強く浸透した独特の企業文化があります。
- 創業者へのリスペクト: 社内では南部代表の考え方や哲学を学ぶ機会が多く、その理念への共感が強く求められます。
- 社内イベント: 運動会や音楽会、ボランティア活動といった全社的なイベントが多く、社員の一体感を重視する風土があります。
こうした文化は、社員のエンゲージメントを高め、同じ目標に向かう連帯感を生む一方で、一部の社員からは「宗教的」「ウェットすぎる」と受け取られることもあります。チームワークや理念への共感を大切にする人にはフィットしますが、ドライな人間関係を好み、仕事とプライベートを完全に分けたい人にとっては、馴染みにくい環境かもしれません。この社風との相性が、満足度を大きく左右する要因となっています。
④世間の評判:「中抜き」「五輪関連」問題の影響
パソナグループは、過去にメディアで大きく報じられたいくつかの問題により、世間から厳しい批判を受けました。
- 人材派遣の「中抜き」問題: 派遣社員の給与と派遣先企業が支払う料金の差額(マージン)が大きいことが「中抜き」と批判されることがあります。これはパソナに限らず派遣業界全体の構造的な問題ですが、業界大手であるパソナがその代表として批判の的になりやすい側面があります。
- 東京五輪関連事業の問題: 東京オリンピック・パラリンピック関連の事業を巨額の委託費で受注したことや、その後の再委託の不透明さなどが国会でも取り上げられ、大きな批判を浴びました。
これらの問題は、企業のブランドイメージに傷をつけ、「やばい会社」という印象を広める一因となりました。社員の中には、自社が世間からどう見られているかを気にする声もあります。就職・転職を考える上では、こうしたレピュテーションリスクも考慮に入れる必要があるでしょう。
⑤将来性:淡路島への本社機能移転と派遣業界の先行き
企業の将来性に対する不安も「やばい」と言われる理由の一つです。
- 淡路島への本社機能移転: 2020年に発表された、本社機能の一部(約1,200人規模)を東京から兵庫県淡路島へ移転する計画は、大きな話題となりました。地方創生という理念を体現する先進的な取り組みである一方、社員にとってはライフプランに大きな影響を与える決断であり、戸惑いや退職のきっかけになったケースもあります。
- 派遣業界の先行き: 日本の労働人口減少や、同一労働同一賃金の導入、DXによる業務自動化など、人材派遣業界は大きな変革期にあります。従来のビジネスモデルだけでは成長が難しくなっていく中で、パソナグループがどのように事業を転換し、成長を維持していけるのかを不安視する声もあります。
ただし、パソナグループはBPO事業や地方創生といった新たな収益の柱を育てることで、これらの課題に対応しようとしています。この戦略が成功するかどうかが、今後の将来性を占う鍵となるでしょう。
パソナグループの良い意味で「やばい」と言われる3つの魅力
ネガティブな評判がある一方で、パソナグループには他社にはない、良い意味で「やばい」と言えるような際立った魅力も存在します。
①仕事のやりがい:社会貢献性の高い”Social Solution Company”
パソナグループで働く最大の魅力は、企業理念である「Social Solution Company」を事業を通じて体現できる点です。
- 社会課題への直接的なアプローチ: 障がい者の就労支援、若年層のキャリア教育、地方の活性化、子育て中の女性の再就職支援など、事業そのものが社会貢献に直結しています。
- 働く人の人生に寄り添う: 人材サービスは、人の「働く」という人生の重要な局面に深く関わる仕事です。求職者のキャリアチェンジを成功させたり、人手不足に悩む企業を救ったりしたときに得られる感謝や達成感は、何物にも代えがたいやりがいとなります。
「誰かの役に立ちたい」「自分の仕事で社会を良くしたい」という強い想いを持つ人にとって、パソナグループは日々の業務の中でその想いを実現できる、非常に魅力的な環境です。
②成長環境:若手の裁量権と多様なキャリアパス
パソナグループには、若手社員が成長できる環境が整っています。
- 挑戦を歓迎する風土: 年齢や社歴に関わらず、意欲のある社員には積極的に挑戦の機会が与えられます。「やりたい」と手を挙げれば、若いうちから大きなプロジェクトや新規事業の立ち上げに関わることも可能です。
- 多様なキャリアの選択肢: 人材派遣、BPO、地方創生、グローバル事業など、非常に多岐にわたる事業を展開しているため、社内でのキャリアチェンジの選択肢が豊富です。営業から企画へ、国内事業から海外事業へといった異動も可能で、一つの会社にいながら多様な経験を積むことができます。
年功序列ではなく、自らの意思でキャリアを切り拓きたいと考える、成長意欲の高い人材にとっては、刺激的で満足度の高い職場と言えるでしょう。
③福利厚生と働きやすさの制度
社員の働きやすさを支える制度が充実している点も、パソナグループの大きな強みです。
- 充実の福利厚生: グループ会社であるベネフィット・ワンが提供する福利厚生サービス「ベネフィット・ステーション」を利用できます。旅行、レジャー、グルメ、自己啓発など、幅広いサービスを割引価格で利用可能です。また、一定のポイントが付与され、好きなメニューを選んで利用できるカフェテリアプランも導入されています。
- 女性の活躍推進: 創業の経緯から、女性が働きやすい環境づくりに非常に力を入れています。産休・育休の取得率・復職率は非常に高く、時短勤務などの制度も整っているため、ライフステージが変化してもキャリアを継続しやすい環境です。
- 多様な働き方のサポート: フレックスタイム制度や在宅勤務制度が多くの部署で導入されており、柔軟な働き方が可能です。
これらの制度は、社員が長期的に安心して働き続けるための重要な基盤となっています。
口コミサイトから見るパソナグループのリアルな評価【OpenWork・Lighthouse】
企業の公式情報だけでは見えない実態を知るために、OpenWorkやLighthouseといった口コミサイトの評価を見ていきましょう。
総合評価スコアと業界内ランキング
2024年5月時点のOpenWorkにおける株式会社パソナグループの総合評価スコアは「3.30」です。
これは、評価対象企業全体の上位35%にあたり、決して低いスコアではありません。項目別に見ると、以下のような特徴があります。
- 評価が高い項目:
- 20代成長環境 (3.41): 若手に挑戦させる風土が評価されています。
- 法令遵守意識 (4.04): コンプライアンス意識は非常に高いと評価されています。
- 評価が低い項目:
- 待遇面の満足度 (2.81): やはり給与に対する不満がスコアに表れています。
- 人材の長期育成 (2.95): キャリアパスが個人任せになりがちという側面が指摘されています。
業界内(人材、コールセンター、BPO)でのランキングでは、リクルートやパーソルといった競合の後塵を拝することが多いですが、中堅以上の安定したポジションにいます。
ポジティブな口コミ・評判の具体例
実際に投稿されているポジティブな口コミには、以下のような声があります。
【やりがい・成長】
「社会貢献という理念が全社員に浸透しており、自分の仕事が社会の役に立っていると実感できる瞬間が多い。若手でも『やりたい』と声を上げれば、責任ある仕事を任せてもらえる風土がある。」(営業職・20代)
【働きやすさ】
「女性管理職も多く、産休・育休からの復帰は当たり前の文化。子育て中の時短勤務にも理解があり、長く働き続けたい女性にとっては非常に良い環境だと思う。」(管理部門・30代)
【福利厚生】
「カフェテリアプランやベネフィット・ステーションなど、福利厚生は手厚い。特に家賃補助は助かる。」(専門職・20代)
ネガティブな口コミ・評判の具体例
一方で、ネガティブな口コミとしては、以下のような内容が目立ちます。
【給与・待遇】
「仕事の量や責任に対して給与が見合っていないと感じる。昇給額も少なく、役職に就かない限り大幅な年収アップは期待できない。」(営業職・30代)
【企業文化】
「創業者の理念が絶対という雰囲気があり、社内イベントへの参加も半ば強制。体育会系のノリが合わない人には辛いかもしれない。」(企画職・20代)
【労働環境】
「部署によるが、自分のいた部署は残業が常態化しており、平日はプライベートの時間を確保するのが難しかった。人の入れ替わりも激しかった。」(BPO部門・30代)
退職検討理由から見える企業の課題
退職を検討した理由として多く挙げられるのは、やはり以下の点です。
- 給与・待遇への不満: 最も多い理由。将来的な年収の伸び悩みへの不安。
- 企業文化とのミスマッチ: 独特の社風や理念重視の姿勢に馴染めない。
- キャリア成長への懸念: 目の前の業務に追われ、専門的なスキルが身につかないと感じる。
- ワークライフバランスの乱れ: 特定の部署における長時間労働。
これらの退職理由から、パソナグループが抱える課題は「理念ややりがい」と「個人の待遇やキャリアプラン」とのバランスをいかに取るか、という点にあることが見えてきます。
結論|パソナグループへの就職・転職が向いている人・向いていない人
これまでの分析を踏まえ、パソナグループへの就職・転職がどのような人に向いているか、そして向いていないかをまとめます。
パソナグループが向いている人の特徴
- 社会貢献への意欲が非常に高い人: 「人のため、社会のために働きたい」という想いを仕事の第一の目的に置ける人。
- 企業の理念に強く共感できる人: 創業者・南部代表の考え方や「Social Solution Company」という理念に心から賛同できる人。
- 安定よりも挑戦や成長を求める人: 若いうちから裁量権を持って、さまざまな仕事にチャレンジしたい人。
- チームワークや社内イベントを大切にする人: ウェットな人間関係や社内の一体感をポジティブに捉えられるコミュニケーション能力が高い人。
- 変化を楽しめる柔軟性がある人: 事業内容や働き方の変化に前向きに対応できる人。
パソナグループが向いていない人の特徴
- 給与や待遇を最優先に考える人: 仕事選びの軸が年収や福利厚生の良さである人。
- 確立された安定した環境で働きたい人: 変化が少なく、決められた業務を淡々とこなしたい人。
- トップダウンや独特の企業文化が苦手な人: 理念の共有や社内イベントに抵抗を感じる人。
- プライベートと仕事を完全に切り分けたい人: ドライな人間関係を好み、仕事とプライベートの線引きを明確にしたい人。
- 特定の専門スキルだけを突き詰めたい人: ジョブローテーションよりも、一つの分野でスペシャリストを目指したい人。
パソナグループへの転職を成功させるためのアクションプラン
もし、あなたが「自分はパソナグループに向いている」と感じ、転職への意欲が高まったなら、内定を勝ち取るために具体的なアクションを起こしましょう。
企業研究と自己分析の深化
この記事で得た情報を基に、さらに一歩踏み込んだ準備が必要です。
- IR情報の読み込み: 有価証券報告書や中期経営計画に目を通し、「会社が今後どの分野に力を入れようとしているのか」「その戦略の中で自分はどのように貢献できるのか」を具体的に語れるようにしましょう。
- 理念と自身の経験を結びつける: なぜ「Social Solution Company」という理念に共感するのか、自身の過去の経験(ボランティア、仕事での成功体験など)と結びつけて、説得力のある言葉で説明できるように自己分析を深めましょう。これが面接での最重要ポイントになります。
転職エージェントの活用が必須な理由
パソナグループのような人気企業への転職を成功させるには、転職エージェントの活用が非常に有効です。
- 非公開求人の紹介: Webサイトには掲載されていない、好待遇のポジションや特定部門の求人を紹介してもらえる可能性があります。
- 内部情報の提供: エージェントは、部署ごとの雰囲気や働き方の実態、面接で重視されるポイントといった、個人では得られない貴重な内部情報を持っています。
- 選考対策と年収交渉: 職務経歴書の添削や模擬面接といった手厚いサポートを受けられます。また、自分では言い出しにくい年収交渉も、あなたの市場価値を客観的に評価した上で代行してくれます。
特に、リクルートエージェントやdodaのような大手エージェントは、パソナグループへの転職支援実績も豊富でおすすめです。担当のキャリアアドバイザーに「パソナグループの理念に共感しており、○○の分野で貢献したい」と具体的に伝えることで、最適なサポートが受けられるでしょう。
まとめ:パソナグループの年収と評判を正しく理解し、後悔のない選択を
今回は、パソナグループの年収と「やばい」と言われる評判の真相について、多角的に解説してきました。
最後に、この記事のポイントをまとめます。
- 平均年収: 公式データでは約664万円と高水準だが、これは持株会社の数値。実態は年代や職種で異なり、口コミベースでは400万円〜700万円台がボリュームゾーン。
- 給与体系: 昇給カーブは緩やかで、役職に就かなければ伸び悩む傾向がある。待遇面での満足度は、競合他社に比べて低いという声が多い。
- ネガティブな評判(やばい理由): 「給与が低い」「部署により激務」「独特の企業文化」「五輪関連などの世評」といった点が挙げられるが、それぞれに背景や実情がある。
- ポジティブな魅力: 「社会貢献性の高い事業」「若手の成長環境」「充実した福利厚生」など、他社にはない強い魅力も併せ持つ。
- 向いている人: 給与よりも「理念への共感」や「社会貢献」「挑戦」を重視する人。
「パソナグループはやばい」という評判は、給与や文化への不満といったネガティブな側面と、仕事のやりがいや成長環境への高い評価というポジティブな側面、その両方から成り立っています。大切なのは、インターネット上の評判を鵜呑みにするのではなく、この記事で示したような多角的な情報を基に、「自分自身の価値観と合う会社かどうか」を冷静に判断することです。
後悔のないキャリア選択のために、本記事があなたの一助となれば幸いです。
コメント